2001年の子どもが危ない -6-

●(29)砂糖、白米、白パンより茶色いお米とパンを

 まず、トラブルを起こしにくい炭水化物を含む食品は、玄米、五分づき米、全粒パンといった精製度の低い穀物、それに、豆類、野菜類など。

図10

図10

 食事をしてから数時間たつと、だれでも血糖値が下がってきます。この時に、五分づき米に豆腐と野菜を食べたとすれば、血液中のブドウ糖量は少しずつ増え、上昇のピークを過ぎた後は少しずつ減っていきます。なだらかな丘のように盛り上がり、下っていくカーブです。エネルギーは安定して供給されているわけですから、細胞も落ちついていられます(図10)。

 逆にトラブルを起こしやすい炭水化物は白米や白パンなどの精製した穀物に含まれていますが、一番悪いのは砂糖です。この白組は、食物繊維のパッケージに包まれていなかったり、ブドウ糖が短いユニットでつながっていたりするため、消化・吸収されるスピードが大変早いのが特徴。食べた後には、血糖値が鋭く高まります。
 血糖値が高まり過ぎるのは困るため、細胞は大急ぎでブドウ糖をとり込むのですが、あわてているので、ついとり過ぎてしまいます。その結果、血糖値はガクンと下がり、トンガリ山のようなカーブになるのです。数時間の間に血糖値が何度も上がり下がりをくりかえすケースもあります。落ち込んだり怒ったり、コロコロ気分が変わるときには、血糖値がローラーコースターのように激しくうねっているのかもしれません。

 血糖値が安定しないとどの細胞も苦しいのですが、脳の細胞には特にこたえます。体の大部分の細胞はブドウ糖がなければ脂肪を代替エネルギーとして利用できるのですが、脳はもっぱらブドウ糖に依存しきっているからです。それだけ、血糖値の変動には敏感なわけで、低血糖の症状に心理的なものが多いのもそのためです。

 日本では、低血糖症などという病気はないという医師がまだ多く、検査も満足に受けられません。低血糖の診断には、5、6時間かけて糖負荷試験を行う必要があるのですが、健康保険の限度が3時間のため、せいぜい3時間しか検査してもらえないのが実状です。
 先程のチェック・ポイントをみると、当てはまる項目が多いという人が大人にもいるはずです。方々で検査をしてもらっても原因がわからず、気のせいだとか自律神経が疲れているなどと言われていた人が、実は低血糖だったというケースが珍しくないのは、欧米ではよく知られています。

 低血糖症の対策としては、まず砂糖を極力減らすことと、穀物を精製度の低いものでとること。朝食を必ずとることも大切です。お昼まで食事をしなければ、血糖値は下がりきっているはずで、そこに砂糖のたっぷり入ったランチをとったりすると、体の中の細胞には大変なストレスがかかります。

【禁無断転載】

丸元淑生著
 『2001年の子どもが危ない シリーズ(1) −栄養編−
  第2章 子どもの心と体は、食事でこんなに変わる』
より抜粋

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