2001年の子どもが危ない -4-

●(27)食事が悪いと、誰でも問題児になる

 子どもの心の健康と食事の関連については、日本でも1986年に、広島県福山市立女子短大の鈴木稚子教授から注目すべき報告がなされています。広島県内の中学生、約1,000人からアンケートをとって、食事と子どもたちの心理状態、行動パターンの関連を調査したものです。

図9

図9

 子どもたちは、集められた食習慣データの分析によって、一番よい食事をしているグルーブから、一番悪いグループまで、5つのグループにふり分けられています。そのグループごとに、「イライラする」とか、「学校に行くのがいや」などの回答率をまとめたところ、不健康な心を反映する回答は、食事の内容の悪いグループほど高まるというはっきりした相関が認められました(図9)。

 しつこいいじめなどで問題を起こしている学生の食事はさらに詳しく調べられ、次のような傾向が共通していたと指摘されています。

  • 食事がスナック化していて、主食と間食の区別がつかない。時間に関係なく、食べたいときに食べたいだけ食べる。朝食はほとんど食べない。夕食前に間食を食べ過ぎるので、夕食時には食欲がない。
  • 偏食が激しい。好きなのは、肉類、インスタント食品、甘いもの。嫌いなのは、野菜、魚類、海草。料理の仕方では、揚げもの、いためものが好きで、煮ものが嫌い。一度も食べたことのないものには手をつけない。ハンバーグ、ミートボールなど、食べ慣れた、いくつかの料理しか食べられない。
  • 家族が同じ時間に集まって、話しながら食べるという習慣が全くない。

 こうした劣悪な食生活によってつくられた心や体の不安定状態が、学生生活での締め付けや、競争によって増幅され、いじめや、非行、登校拒否などを引き起こすというのが鈴木教授の分析で、真っ先に食事の問題を解決しなければ、教育やしつけも効果がないという結論もショーエントーラーと同じです。

 また、先ほど紹介した食事の傾向は、問題児に極端に強く見られるものの、ほかの子どもも、似たりよったりの内容でした。今の子どもの9割以上がこうした食生活をしながら成長しているはずで、だれでもいじめっ子になる可能性があると鈴木教授は指摘しています。

【禁無断転載】

丸元淑生著
 『2001年の子どもが危ない シリーズ(1) −栄養編−
  第2章 子どもの心と体は、食事でこんなに変わる』
より抜粋

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